「1つだけ美術館」でとある少女にまつわるゾウの展示が
高松に、1つの作品だけを展示し、作品展を開催する、ちょっと変わった美術館があります。
その名も「1つだけ美術館」。
およそ1ケ月ごとに展示作品の変わる美術館の
8月(8/3-9/1)の展示作品は
とある絵本に登場する「夢を叶えるゾウ」。
その絵本のタイトルは、「わたしはひとりじゃない」。
実在する少女をモデルとした絵本で、著者はその少女のお母さんです。
私が、その少女の存在を知ったのは6月の下旬だったと記憶しています。
クリニックの担当の方から、
少女のために、夏祭りの企画をみんなでしたので、撮影に来られませんか?
とご依頼を頂いたのです。
しかし、ちょうど同日・同時刻に別の現場が入っていたため、
お断りせざるを得ませんでした。
そして、その時の私は、
彼女が3月の時点で余命2週間の宣告を受けていたことなど、露も知らなかったのです。
もちろん、彼女のこれまでの軌跡と、食べることが大好きな彼女が残したレシピを軸とした企画に携わることになるなど、想像だにしていませんでした。
1つだけ美術館 特別展示「今、できることがある。」
- 【期間】 2024年8月3日から9月1日まで
(火曜日休館) - 【時間】 10:30~17:00
- 【場所】 TAKAMATSU JAM4.5 2F
高松市高松町2175-33
今回の展示の特徴は、単に鑑賞するだけではなく
参加型展示である、という点です。
【1】あなたにとって「大切な願い」を書こう!
絵本『わたしはひとりじゃない』に登場する、願いを叶えるゾウ。
館内に吊るされたパネルに「あなたの人生にとって大切な願い」を書いて、ゾウに託してみましょう。
【2】みんなで同じものを美味しく食べて繋がろう!
主人公のモデルになった女の子は料理を家族にふるまうのが大好きです。
彼女のレシピを館内に掲示、またドネーションカードに掲載しますので、作って食べてみてください。
実は、少女にまつわるもう1つの企画があった
この企画展の発端は、「なんとか彼女のレシピを再現して、みんなに食べてもらう、そんな企画を行いたい」という、クリニック担当者の思いから始まりました。
その話を聞いて、たまたまその前日に「アートとケアと食を考える」をテーマに、打合せをしたお二人を担当の方にご紹介し、ご協力を仰ぐことにしたのです。
実は、この企画展と平行して、もう1つの企画が実現手前まで来ていました。
トキトドケ。を主宰し、シェフでもある大芝可愛さんの協力のもと、彼女のレシピを再現した料理でホームパーティーを開催する予定だったのです。
しかし、少女の体調がかんばしくなくなり、パーティーは一旦見送りに。
そして、奇しくもパーティー開催予定だった日の早朝、彼女は天国へと旅立ちました。
その思いは、彼女のレシピを活かした今回の企画「みんなでおなじもを食べてつながろう」に引き継がれています。
8/4には、少女のレシピを再現したシフォンケーキの限定販売も。
残念ながら、ホームパーティーは実現しませんでしたが、トキトドケ。さんは
チャリティーイベントとして、少女のレシピからシフォンケーキを再現。
8月4日(日)に限定販売されます。
夏休み、ご家族で命について考えるきっかけになって欲しい
検索エンジン、SNS、AI・・・。現代は、あらゆる「解」が外から簡単にやってくる時代です。
想いを込めた「ぞう」と向き合い、自分の中から湧き上がる、「解の出ない問い」にしっかり向き合う経験は、もしかするとこれからの時代を生きるうえで、とても大切なものになるかも知れません。
1つだけ美術館の、この企画展に寄せる紹介文にはこうあります。
誰もが知っている有名な 哲学者も 芸術家も 研究者も 宗教家も 未だ“命”の答えに たどり着けていません。
それでも誰もが考え続ける “命”って、何なのでしょう。
もし、そんな体験や気づきを少しでも感じられたなら、彼女が生きた人生の軌跡が、また新しい「意味」を持ち、生まれ変わったと言えるのではないか。
そんな「奇跡」を信じて・・・
彼女に関わった様々な人達の想いをのせて、今日より、1つだけ美術館特別展示「今、できることがある。」が始まります。
「今、できることがある。」展 概要
- 【期間】 2024年8月3日から9月1日まで
(火曜日休館) - 【時間】 10:30~17:00
- 【場所】 TAKAMATSU JAM4.5 2F
高松市高松町2175-33