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知ってますか?「きょうだい児」の存在を

知っていますか?きょうだい児の存在を

 リトルキッカーズの活動でも、実は重要な存在の「きょうだい児」さん。

 私のページにお越し下さる方は、福祉関係以外の方も多くいらっしゃるので、一般論になりますが、「きょうだい児」についての解説記事を作りました。

 

「きょうだい児」さんて、どんな子ども?

 障がいや重い病気を持つ兄弟姉妹がいる子ども達を「きょうだい児」と呼びます。

 きょうだい児には、性別や年齢に関係なくすべての兄弟姉妹を含むことから、漢字ではなくひらがなで表記されます。

 彼らは、家族内で特有の立場にあったり、きょうだい児ならではの気持ちを抱えたりして、さまざまな心理的・社会的課題に直面することがあります。

きょうだい児が抱える悩みや課題

家庭の中で感じるさみしさや我慢

 障がいのある兄弟姉妹のケアに、親御さんの関心が集中することで、きょうだい児は「自分は後回しにされている」と感じ、自分の気持ちを抑えてしまう傾向があります。

 その結果、甘えたい気持ちを抑え、「いい子」であろうと頑張り過ぎてしまうことも。これが長期的には自己肯定感の低下や精神的な不安定さにつながることもあります。

  

社会や友人関係での悩み

 きょうだい児は、障がいのある兄弟姉妹について周囲に話すことをためらうことがあります。偏見や誤解、いじめの対象になることを恐れるからです。

 また、結婚等の際に、相手やその家族から、障がいのある兄弟姉妹の存在を理解してもらえるか、受け入れてもらえるか、不安に感じたりすることがあったり、実際にご破算に追い込まれることもあります。

 

将来への不安や、体験・経験の制限

 親が高齢になった後、障がいのある兄弟姉妹のケアを考えて、進学や就職を、自分の希望よりも家族の状況を優先し、選択肢を狭めてしまうことがあります。

 また、家族の事情を優先することで、習い事や旅行なども我慢を強いられたり、他の子ども達と同じように経験や体験が出来ない、というケースもあります。

 

私たちに出来ることって何だろう?

 「障がい」(児)の社会的認知が高まっている中で、「きょうだい児」の存在や課題は、知られていない、というよりも、「知られにくい」と言った方が正しいかも?と思います。

 というのも、上の記事にもある通り、きょうだい児さんは、家族の事情を優先し、自分の言いたいことや、やりたいことを押し殺し、我慢しがちな傾向があるからです。 

 また、ヤングケアラーと同じように、自分自身が「きょうだい児」である、と気づかないまま、大人になるケースも少なくないようです。

 他の支援の問題と同じように、きょうだい児の問題も、「家族内だけで解決しなければならない」「障がいのある家族は、家族だけで支えるべき」という考え方自体をまず、見直さなければいけません。
 
 きょうだい当事者が運営する「シブコト」や「きょうだい会SHAMS」などの支援団体はありますが、公的な相談窓口はまだまだ十分ではありません。

 少しでも「きょうだい児」の言葉を広め、その存在を知ってもらうこと、彼らの寂しさや罪悪感、葛藤など、複雑な感情を抱えている実情が少しでも世間に広まって欲しいと思います。 

 「きょうだい児が家族のために動くこと、働くことは当たり前」というプレッシャーを安易に投げかけるのではなく、きょうだい児を含む家庭の孤立を防ぎ、「自分らしく生きていい」という前向きな言葉を、もっと発信できるような社会になって欲しいと思います。

 

ラジオで知る「きょうだい児」の現状と支援

 2025年4月29日、TBSラジオ「荻上チキSession」で、「<きょうだい児>を知っていますか?表に出にくい実態と、その支援の在り方」と題して特集が組まれています。

 番組では、きょうだい児による多くの「生の声」を取り上げながら、きょうだい児の現状、課題、そして必要な支援について深く掘り下げています。

 48分と決して短くはありませんが、きょうだい児のおかれている現状や、心理的・社会的困難がよく分かります。何かの作業の合間にでも、是非お聞きください。