【抜穂式】主基斎田「だけじゃない」綾川町のお田植まつり

主基祭田「ダケジャナイ」綾川町のお田植まつり

綾川町には、「主基斎田お田植まつり」という、大正天皇の即位に由来する伝統的なお田植祭りがあります。

  

主催は主基斎田保存会という民間団体ですが、香川県のHPでも告知され、自治体首長や議員も出席し、マスコミも取材に来て・・・と、とても注目されていることが分かります。

 

伝統文化は、地方の大事な財産でもありますので、その行事の実施には予算がつき、自治体が運営に携わることは、当たり前のことですよね。

 

  

だがしかし・・・綾川町の陶地区には、そんな定説(?)を覆し、ガチで地元町民の方だけが参加して行われる、「お田植えまつり」がひっそりと(・・・と言うのは大袈裟かも知れませんが)、県や町、マスコミからの注目を集めるのでもなく、地区の人々に受け継がれ、令和の時代となった今でも、続けられているのです。

 

私が、地元のお婆様・・・もとい、お姐様達に聞いた時点では、残念ながら今年のお田植えまつり自体は終わっていました。(主基斎田のそれと同様に、早乙女姿に扮した地元女性達が田植えを行っているそうです。)

しかし、「次は抜穂式が行われる予定になっとるはずよ」と教えて頂いたのです。

 

 

   

地元地区の田んぼで行われる抜穂式(ぬきほしき)の流れ

2023年8月26日。

その日は、献穀田となった田んぼの持ち主の方の家で神事を行った後、現地に作られた祭殿にて神事が行われました。

 

 

  

 

次に、「抜穂」。集まった皆で、実った稲を少しづつ刈り取り、それを一つに束ねて、祭殿へお供えします。

 

 

  

そして、再び祭殿での神事。


  

  

最後に、田んぼの稲を全て刈り取って終わりです。

  

  

  

刈り取った稲は秋季例大祭に

  

今回は、コンバインを使っての刈り取り。私が撮影させてもらっている傍らで、「昔は皆で入って、手(鎌を使って)で刈っりょたんやけどのー」と、ある方が囁いてくれました。

 

確かに、この日も茹だるような暑さに、全盛期に比べて明らかに少ない参加者、という現実の前には、「むしろコンバインしか勝たんやろう・・・」と思ってしまいます。

 

刈り取った稲を、乾燥のため一旦縛って、午前の作業は終了です(夕方、乾燥のため別の場所へ運ばれたそうです)収穫された献納米は、新嘗祭に・・・ではなく、地元の大宮八幡宮、通称「大宮さん」の秋季大例祭にて奉納されます。

香川県知事も、町の職員さんも、マスコミも来ることはないけれど、この名もなき民たちによる、神聖なるお田植祭り・抜穂式は来年も、綾川町陶地区のどこかにある献穀田にて、執り行われるのです。多分。。。

 

 

そして私は今、次なる献穀田の場所を突き止め、来年こそはきっと「お田植祭り」を取材に行くぞ!
と使命感に燃えております。

 

 

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今、私はライフワークとして、定期的に公民館にうかがい、地元の方達から地域の古いお話を聞き、記録するというアーカイヴ作業をしております。

 

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