
藤川邸から出た廃材で作られている。
小野環氏、服部志帆氏、横谷菜歩氏による
瀬戸内海歴史民俗資料館 企画展
「いにしによる」(共催:一般社団法人トピカ)
塩江の内場湖湖畔にたつ古民家、藤川邸。
そこから収集される品々、その数、840点以上。
その1つ1つを序列をつけることなく(つまり恣意的に行うことなく)
全てを平等にアーカイヴするという

とてつもなく地道な作業をベースとして
藤川家の歴史が丁寧に紐解かれることによって
垣間見えてくる塩江の歴史。


「一般的な空き家再生では捨てられてしまう」ような記憶の数々が
新たに公共の歴史へと「継承」されていき
アーティスト達それぞれの視座によって
読み解かれ、新たな表現作品として
生まれ変わっています。


作:服部志帆 語り:村山淳
インスタレーション:横谷奈歩

2022年 サウンドインスタレーション
脚本:服部志帆 監督:横谷奈歩 助監督:神高伸江
地元の方達が声で出演されている

今、私達の日常は、スマートホンから配信される
アルゴリズムによって「恣意的に」操作され、
最適化された(とされる)情報に日々侵食されています。

つまり、プラットフォームからの声が
どんどん大きくなって来ている現代においては
そこに無自覚に生きている限り
(ギャラリートークでの小野氏の言葉を借りれば)
「忘れていることを忘れさせる」ような世界に
自らを押し込める結果になってしまう。

戦時中に日本軍から支給されたものだという。
本企画展のサブタイトルにもある
「断片たちの囁き」。
その声はきっと、とても小さいものでしょう。
プラットフォームとアルゴリズムの
外側にある小さな囁き。
その声に耳を傾け続ける日常の先に
過疎と衰退に悩む私達の
1つの答えがあると信じたいですね。

横谷奈歩 2022年 ミクストメディア

- 会期:令和4年10月1日(土曜日)
~12月18日(日曜日) - 時間:午前9時
~午後5時(入館は午後4時30分まで) - 休館日:毎週月曜日
(月曜が休日の場合はその翌日)

本展示会の起点となっている「藤川邸」は
現在ゲストハウスとして改修工事中。
その藤川邸が、本展示に合わせて
同時公開されているそうです。
完全予約制なので
見学を希望される方は、一般社団法人トピカまで
ご連絡ください。
藤川邸「いにしによる」公開(予約制)
- 会期: 2022年10月1日~12月18日
- メール: info@topica.or.jp
- TEL: 080-7736-1257
トピカについては、こちらの記事もどうぞ。